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ファナック株式会社 (FANUC CORPORATION)

デザイン一新の30iシリーズ

概要

ファナックは1956年民間における日本初のNC装置を開発しました。それから59年、累計生産台数は3,000,000台を超え、グローバルスタンダードCNCとして全世界で広く使われて来ました。
長い歴史の中で多くの機能・性能のレベルアップが行われてきましたが、グローバルスタンダードCNCとしては、その操作性を大きく変えることはユーザの使い勝手を損ねる可能性が大きく、伝統的な画面操作を踏襲することにこだわって参りました。
しかしながら、昨今スマートフォンを使いこなす若い世代のユーザは、グラフィカルな画面表示やタッチオペレーションに慣れており、テキストベースのファナックの操作画面は、最先端の機能・性能を備えたCNCであるにもかかわらず、その実力を誤解する傾向も出て来ました。

このような状況を鑑み、ファナックは機能・性能だけではなく、操作性においても最先端のHMI(ヒューマンマシンインターフェース)を提供することを決意しました。
最先端のHMI「New HMI」を開発するに当たり、私たちは原点に帰り、改めて現場の作業を徹底的に調査分析しました。
具体的にはユーザの声を聞くと共に、身近なユーザである弊社の加工工場に足を運び、作業者の日常業務を観察し、どうすれば作業者の負担を軽減できるか、ファナックのCNC操作はどうあるべきか、意見を交換してきました。OneFANUC として、さまざまな部門の知見を集め、New HMI のコンセプトを練り上げました。

加工現場では、生産性を向上するために日々実直にPDCA (Plan Do Check Action) に取り組んでいます。New HMI では、このPDCAを加工現場向けに「計画 (Plan) 加工 (Machining) 改善 (Check & Action)」に置き換え、それを一貫支援することをコンセプトとしました。
特に「改善」フェーズの支援は、FAの総合メーカであるファナックの知見を活かしたアプリケーションを提供して参ります。

ホーム画面
ホーム画面

CNC操作画面
CNC操作画面

ホーム画面

具体的に「計画→加工→改善」を支援するアプリケーションは、ホーム画面に集約しました。
また、この画面は、ファナックが準備するアプリケーションだけではなく、MTBが機械に合わせて作成した独自のアプリケーションも追加できます。

CNC操作画面

新しいCNC操作画面のコンセプトは、「ブログラミング、段取り、加工を簡単に」です。
画面を、「編集、段取り、運転」の3つに集約することにより、格段に操作性を向上しました。

計画を支援するアプリ

工具情報管理

加工で使用する工具を一元管理する機能です。本機能は工具メーカが提供する工具データや、CAMやシミュレーションソフトの工具データを取り込むことが出来ます。

加工時間予測

加工を行なう前に、加工時間を予測することが出来ます。これにより、正確な加工のスケジューリングが可能になり、機械のアイドルタイムを削減できます。

加工を支援するアプリ

機械衝突防止

実加工において、機械が動作する前に機械シミュレーションが実機と同じ動作を行い、機械が衝突する前に衝突を検出して機械を停止させます。

ロボット操作画面

ローダロボットなど、工作機械に設置されたロボットの教示操作をCNC画面上で行なうことができます。これにより機械とロボットの操作が一体化し、オペレータの作業効率が向上します。

改善を支援するアプリ

保守情報管理

サーボアンプのファンやバッテリなど、機械の保守部品の状態をモニタリングし、壊れる前にアラームを通知します。保守部品の経年劣化も確認でき、適切なタイミングでの部品交換により機械のダウンタイムを削減できます。

データロガー

CNCの各種データを常時収集し、収集されたデータは保守情報管理や稼働状況管理などに使用されます。加工現場の見える化と、保守性や稼働率の向上に貢献します。

New HMI のハードウェア

表示器

年々攻撃性が高くなる切削液に対応するため耐切削性の向上と、デザイン性の向上を目指し、表示器の表面を1枚のフィルムで覆うフラットな構造にしました。

MDI

改めてキー配置を見直すことにより操作性を向上し、キートップを平行に保つ機構を採用することによりミスのない確実なキー入力が可能としました。

機械操作盤 (MOP)

MDIと同じフラットなデザインにし、全体として統一感を持たせました。

 

対応機種: Series 30i/31i/32i - MODEL B
出荷開始時期: 2015年12月末
目標販売台数: 月産1500台

 

(2015年4月新聞発表)