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ファナック株式会社 (FANUC CORPORATION)

コーポレートガバナンス

基本的な考え方

ファナックでは、従来から「厳密と透明」の基本理念のもと、コーポレート・ガバナンスの充実を着実に図ってきました。2021年には、監督機能と執行機能の分離を進めるなかで、取締役会の監督機能を一層強化し、経営上の意思決定をより迅速化するため、監査等委員である取締役により構成される「監査等委員会」を備え、取締役会から取締役への業務執行の決定権限委譲の拡大が可能な監査等委員会設置会社に移行しました。その後は監査等委員会設置会社として、さらに関係規則の整備等を進めるなど、取締役会の監督機能の一層の強化と経営上の意思決定の迅速化に努めています。

また、独立社外取締役が過半数を占め、かつ独立社外取締役が委員長を務める指名・報酬委員会を設置し、取締役の任命、評価における客観性、透明性を高めることで、監督機能の厳密性、透明性を担保しています。

推進体制・取り組み

  • 監査等委員会設置会社である当社では、取締役会(監督機能)と経営側(執行機能)の分離を図り、それぞれの独立性を保つようにしています。
  • 取締役会における社外取締役比率および取締役会のダイバーシティ比率は以下のようになっています。
  • 円グラフ

  • 監査等委員会(4名)のうち3名は社外監査等委員であり、そのうち1名は女性です。
  • 引き続き、取締役会と経営側それぞれの独立性が保たれているか、ダイバーシティの効果が表れているか、取締役会と監査等委員会における議論が活発か等の観点から、内容を定期的に検証し、必要により改善を行います。

指名・報酬委員会

取締役の選解任および報酬等について、独立社外取締役が過半数を占めかつ独立社外取締役が委員長を務める指名・報酬委員会を設置し、当該委員会にて諮問を行うことで、手続きの客観性・透明性等を確保しています。

取締役会の実効性評価

(1) 評価方針

ファナックは、無くてはならない価値を世界中に提供し続け、すべてのステークホルダから信頼される企業であり続けるため、コーポレートガバナンスを重視し、基本理念である「厳密」と「透明」を徹底し、監督機能の一層の強化や業務執行の決定の迅速化・経営の効率化を進めることの一環として、毎年、取締役会の実効性を評価しています。

(2) 評価プロセス

2023年度の評価は、取締役会がその役割・責務を実効的に果たすうえで重要と考えられる事項(取締役会の構成と運営、戦略にかかる審議等)について各取締役が認識している課題を把握するとともに、取締役会が株主を含むステークホルダから期待される役割を実効的に果たしているかを客観的に確認する目的で、外部コンサルタントの知見を踏まえ実施しました。

また、2022年度の実効性評価において認識した課題への取り組み状況について確認を行いました。評価はすべての取締役を対象にアンケートを行い、外部コンサルタントの集計した分析結果に基づいて取締役会において報告・審議を行いました。

(3) 評価結果の概要

当社取締役会は、外部コンサルタントの分析結果を踏まえ、取締役会の実効性について以下の通り分析・評価を行いました。

  1. 当社取締役会は、現状の当社の事業環境を踏まえ、「執行の監督」と「執行上の重要なテーマやステークホルダの視点から重要なテーマなどに対する率直な指摘、提言や多角的な審議」が特に期待されているなか、この役割を果たすに望ましい多様なメンバーで構成されていることや、活発な議論ができていることなどが高く評価され、実効的に機能していることを確認しました。
  2. 前年度の実効性評価においては、以下の2点を課題として認識していました。
    • 外部環境の著しい変化に対応するための組織体制の強化に向けた執行側の取り組みの監督および執行側への提言
    • ファナックの持続的な成長を実現するための挑戦を尊ぶ企業文化・風土の醸成に向けた執行側の取り組みの監督および執行側への提言
    当社取締役会は、これらの課題について、強化策が始まったこと自体をポジティブに評価しつつも、さらなる取り組みが必要であると認識しました。
  3. また、2023年度の評価を通じ、(i)将来を見据えた事業戦略について幅広く議論することや、(ii)持続的な成長に向けた人的資本の強化について議論する機会を増やすことの必要性を認識しました。

当社取締役会は、今後、上記2、3の事項に対して建設的に取り組み、持続的な成長に貢献していきます。

取締役の報酬方針

(1) 取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針に関する事項

ファナックは、取締役(監査等委員である取締役を除く。以下この段落で同じ)の個人別の報酬等の内容に係る決定方針(以下、決定方針という)を定めており、その概要は、次の通りです。(2024年6月27日開催の当社取締役会にて決議)

  • 固定報酬は、各取締役の役位に応じて決定される。
  • 業績連動報酬は、株主還元と同様に親会社株主に帰属する当期純利益に連動させることを基本とし、業績連動報酬額の20%分を非財務指標枠として、評価基準に基づき支給する。評価基準として、「従業員エンゲージメント」「ESG評価スコア」「GHG排出削減量」の3指標を適用する。
  • 株式報酬は、取締役の貢献度等諸般の事項を総合的に勘案し、譲渡制限付株式に関する報酬を支給する。
  • 取締役の報酬は、固定報酬、業績連動報酬および株式報酬により構成されており、これらの支給割合は、役位・職責、業績等を総合的に勘案して設定する。
  • 社外取締役の報酬は、固定報酬のみとする。

また、決定方針の決定は、取締役会の決議によります。

監査等委員である取締役の報酬につきましては、監査等委員である取締役の協議により個別の監査等委員である取締役への報酬額が決められています。

(2) 取締役の報酬等についての株主総会の決議に関する事項

取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬等の総額につきましては、2021年6月24日開催の第52回定時株主総会にて、以下の(イ)固定報酬枠および(ロ)業績連動報酬枠の合計額を上限とすることで承認されています。また、(イ)および(ロ)とは別枠として、社外取締役を除き、(ハ)株式報酬を支給することが承認されています。

  • (イ) 固定報酬: 年額8億円以内(うち社外取締役分は年額1億円以内)
  • (ロ) 業績連動報酬: 選任または重任された株主総会の前事業年度の親会社株主に帰属する当期純利益の0.7%以内(ただし固定報酬の3年分を超えないものとする)
  • (ハ) 株式報酬: 譲渡制限付株式に関する報酬等として支給する金銭報酬債権の総額は年額3億5千万円以内、これにより割り当てられる譲渡制限株式の各事業年度における総数は28,000株以内。ただし、2021年6月24日開催の第52回定時株主総会のご承認の日以降、当社普通株式の分割(当社普通株式の株式無償割り当てを含む)または株式併合が行われた場合その他これらの場合に準じて割り当てる譲渡制限付株式の総数の調整を必要とする場合には、当該譲渡制限付株式の総数を合理的に調整することができる。

当該定時株主総会終結時点の取締役(監査等委員である取締役を除く)の員数は6名で、社外取締役を除くと3名です。

監査等委員である取締役の報酬等の総額につきましては、2021年6月24日開催の第52回定時株主総会にて、年額2億円を上限とすることで承認されています。
当該定時株主総会終結時点の監査等委員である取締役の員数は5名です。

(3) 取締役(監査等委員である取締役を除く)の個人別の報酬等の内容の決定に関する事項

報酬水準の検討に際しては、ベンチマーク企業を選定し、外部第三者専門機関の調査結果も踏まえた報酬水準を参考にしています。報酬額の決定については、独立社外取締役が過半数を占めかつ社外取締役を委員長とする指名・報酬委員会にて諮問を行った後、取締役会が取締役(監査等委員である取締役を除く)の個人別の報酬額の具体的内容を決定しています。当該手続きを経て取締役(監査等委員である取締役を除く)の個人別の報酬額が決定されていることから、取締役会はその内容が決定方針に沿うものであると判断しています。

取締役会/監査等委員会/指名・報酬委員会の開催頻度

  • 取締役会は、原則毎月1回開催するほか、必要に応じて随時開催しています。(2023年度は計12回開催)
  • 個別の取締役の取締役会等への出席状況は、以下の通りです(2023年度)。
  取締役会 監査等委員会 指名・報酬委員会
山口 賢治 12回/12回 - 4回/4回
稲葉 善治 12回/12回 - 4回/4回
流石 柳二(注2) 10回/10回 - -
マイケル ジェイ チコ 12回/12回 - -
佃 和夫(注1) 2回/2回 - 1回/1回
山崎 直子 12回/12回 - 4回/4回
魚住 弘人 12回/12回 - 4回/4回
武田 洋子(注2) 10回/10回 - 3回/3回
小針 克夫(注1) 2回/2回 2回/2回 -
三村 勝也(注1) 2回/2回 2回/2回 -
岡田 俊哉(注2) 10回/10回 11回/11回 -
今井 康夫(注1) 2回/2回 2回/2回 -
横井 秀俊 12回/12回 13回/13回 -
富田 美栄子 12回/12回 13回/13回 3回/4回
五十島 滋夫(注2) 10回/10回 11回/11回 -

(注)1 佃和夫、小針克夫、三村勝也および今井康夫の4氏は2023年6月29日の第54回定時株主総会において取締役を退任したため、出席回数および開催回数が他の取締役と異なります。
(注)2 流石柳二、武田洋子、岡田俊哉および五十島滋夫の4氏は2023年6月29日の第54回定時株主総会において新たに取締役に選任されたため、出席回数および開催回数が他の取締役と異なります。