地域社会とともに
基本的な考え方
ファナックは世界100カ国以上をカバーする270以上の拠点を有し、展開する拠点のすべてのステークホルダから信頼されることを目指し、拠点を取り巻くコミュニティに根差した取り組みを行います。
本社地域においては、多くの社員が他の地域から山梨県へ移住し、当地で職住が近接したライフスタイルを実現しています。ファナック本社社員の日々の生活は、自治体や地域の組織・施設の支えなくしては成り立ちません。そのためファナックでは、地域社会への貢献に取り組んでいます。
FA財団を通じた研究支援
FA財団は、ファナックの創業者である稲葉清右衛門が創設者となり、1989年に設立されました。設立にあたり、ファナックが基金を寄付し、その後も運営費用を寄付しています。
FA財団は、FA(ファクトリーオートメーション)と産業用ロボットの技術に関する研究成果に対する表彰などを行うことにより、自動化に関する技術の向上を図り、機械および機械工場の自動化によって社会に貢献することを目的としています。
2023年度は7本の優れた論文を表彰しました。
未来ロボティクスエンジニア育成協議会
2019年12月18日、経済産業省が主導し、ロボット関係人材を育成する「未来ロボティクスエンジニア育成協議会」の設立に向け、ファナックを含む産業界と独立行政法人国立高等専門学校機構は覚書を締結しました。
将来のロボットエンジニアやシステムインテグレータに係る人材育成を推進するため、教員向けインターンシップや企業エンジニアの学校への派遣といった「高等専門学校等から産業界に対するニーズ」と「産業界の有するシーズ」のマッチングを担います。
ファナックは、高等専門学校や工業高校に対する、教員向けインターンシップや講師派遣等の活動で、ロボット関係人材の育成に貢献します。2023年度は、高等専門学校・工業高校向けの出前授業、教員向けのファナックアカデミでの講習、国際ロボット展の学生向けPRビデオの作成など、ロボット人材育成の活動に積極的に取り組みました。
アイデアを形にする創造的ものづくり教育への支援
全日本学生室内飛行ロボットコンテスト
ファナックは、全日本学生室内飛行ロボットコンテストへ特別協賛を毎年行っています。
「第19回 全日本学生室内飛行ロボットコンテスト」が、2023年9月22日(金)~24日(日)に日本工学院専門学校蒲田キャンパス片柳アリーナ(東京都)で開催され、35校から過去最高の76チームが参加し、盛況となりました。同大会は、学生のものづくり、特に航空機設計・制御等に関する人材育成のために開催されています。出場者は、物資運搬や自動操縦などのミッションを行い、飛行性能、制御技術、操縦技術を競いました。ファナックは、自動操縦部門で第1位となった金沢工業大学に「ファナック賞」を授与しました。
本社地域における寄付・寄贈
社員の健康管理や精密検査等でお世話になっている富士吉田市立病院に対して、検査機械や機材などの寄贈を行っています。
毎年、神事および地域行事への協賛や山梨県共同募金会の「赤い羽根共同募金」への寄付、また定期的にNPO法人フードバンク山梨への食料支援も行っています。
2019年までに実施された山中湖、忍野両村の村道拡幅事業に関して用地1,570㎡を道路用地として寄付しました。
さらに2022年度より忍野村の村道拡幅事業が実施されており、工事完了後社有地部分の交換と寄付を予定しています。
本社地区に設置されている自動販売機手数料の10%を、2022年より認定NPO法人ゴールドリボン・ネットワークに寄付しています。
■主な寄付・寄贈
2020年 | 新型コロナウイルス感染症対策への支援として、山梨県が募集している「ふんばろう!やまなし『医療従事者にエールを』新型コロナウイルス感染症対策寄附」事業に賛同し、5,000万円を寄付しました。 また、本社のある山梨県および富士吉田市立病院に対してマスクを寄贈しました。 |
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2021年 | 屋根がなく利用者が雨風を凌げなかった路線バス停留所2か所に専用のシェルタを建設し、用地と併せ忍野村へ寄贈しました。 |
2022年 | 日本赤十字社山梨県支部を通じてウクライナにおける人道危機への支援の目的で100万ユーロの寄付をしました。 本社地区に設置されている自動販売機手数料の10%を、2022年より認定NPO法人ゴールドリボン・ネットワークに寄付しています。 |
2023年 | 山梨県・公益財団法人 山梨県国際交流協会を通じてトルコ南東部地震に対する救援の目的で2千万円の救援金を寄付しました。 |
2024年 | 日本赤十字社山梨県支部を通じて令和6年能登半島地震の被害に対する支援の目的で2,000万円の寄付をしました。 |
献血活動
ファナックは、本社において2023年10月2日~10日の6日間、山梨県赤十字血液センターによる献血を7年連続で実施しました。2023年は467名が協力しました。
2020年には、3年連続して年2回または献血者50名以上の組織的な献血協力を行った団体を対象として審査・表彰される「献血推進功績者知事表彰」を受けました。
また、栃木県の壬生工場でも2018年より献血活動を行っており、2023年4月17日に95名、2023年10月5日に97名、合わせて192名が協力しました。
ファナックは、身近でできる社会貢献活動として、社員の協力を得て献血活動を継続します。
日本国内での取り組み
工場拠点での雇用
工場拠点では、各県内の工業高校の生徒を毎年採用しており、応募前工場見学を受け入れ、製造現場を体感できる機会を提供しています。
被災地の復興支援
ファナックでは、災害で被災された方々の復興支援も行っています。2011年3月の東日本大震災、2015年9月の関東・東北豪雨、2016年4月の熊本地震、および2018年7月の西日本を中心とした豪雨の際には、義援金を寄付したほか、被災されたお客様が一刻でも早く操業を再開できるよう復旧支援活動を行うなど、地域復興に努めてきました。
また、熊本地震の際には、社員によるボランティア活動を実施しています。また、2024年1月には能登半島地震の被害に対する義援金を寄付しました。
都市ガスステーションの誘致
本社地区の電力使用量削減のため都市ガスステーションを誘致した結果、地域の皆様の都市ガス利用も促進されました。
地域の景観との調和
本社地区のある忍野村は、富士山を遠景に富士の伏流水による湖沼や河川などの自然の造形と田畑やかやぶき屋根などに代表される人間の営みが近景として調和した風景の村です。忍野村と山中湖村では、景観保全のためそれぞれ景観計画を定めており、ファナックも積極的に対応しています。
保有する森林資源の大部分は、戦後植えられた人工林で構成されています。ファナック本社では、地域に調和した森林に戻すため、山梨県森林総合研究所の指導のもと、「ファナックの森広葉樹化計画」として、樹木の整備と管理を行っています。人工的に植えられた針葉樹の森を、花が咲き、実がなり、小動物が生息できる豊かな広葉樹を交えた森へ変えていく計画を推進中です。また敷地内の植林高木が倒れ村道の通行や電線への支障を避けるため、倒木防止のための管理伐採を実施するとともに、伐採後の土地と地域に調和の取れた樹種による植林を行っています。
2015年度から2023年度の間に、約3,800本の間伐を含めた管理伐採を実施し、約17,100本の広葉樹を中心とした植樹を実施しました。
また、ファナックの既存の工場の外壁の色は全て黄色でしたが、各工場の大規模改修時に外壁の再塗装を行う際には、グレーを基調として、黄色の量を制限しています(本社地区は外壁の20%以下、日野地区では外壁の5%以下等)。
解体予定の寮を災害対応訓練に提供
2022年10月、解体予定の寮をつくば市消防本部の災害対応訓練に提供しました。つくば市消防本部より、日常で使用する訓練施設では実施困難な破壊活動や、より実災害に近い環境で各種訓練を実施することで、災害対応能力の向上を図りたいとの依頼を受けたものです。
ファナックは引き続き地域社会とのつながりを大切にしていきます。
ファナックインディアでの取り組み
インドでは約2億3,600万人の子どもたちが110万の公立学校に通っています。特に村の公立学校で学ぶ子どもたちは移住労働者の子どもで家事の手伝いをしており、1日1食の食事日のランチタイムまで持ちこたえるのに十分なエネルギーが得られません。その結果、集中力の欠如や、トラブル、欠席などが起こっています。
ファナックインディアでは、子どもたちや移住者への食事を提供しています。
- バンガロール近郊の子どもたち延べ883名へ朝食を提供、5,000名の子どもたちへ昼食を提供しています。
- 西インドのプネで運営するデイケアセンターには、130名の子どもが通っています。親が仕事に携わっている間、子どもたちを世話し食事を提供しています。
- バンガロール、マドゥライ、コインバートルの孤児院へ支援を行っています。
- バンガロール近郊で新型コロナウイルス感染症によるロックダウンの影響を受けた移住者へ配給キットと調理済みの食事を提供しました。
昼食提供
配給キットと調理済みの食事の提供