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ファナック株式会社 (FANUC CORPORATION)

生物多様性

基本的な考え方

ファナックは「未来に残そう、自然と資源」の基本理念のもと、特に富士箱根伊豆国立公園に隣接した本社地区178万m²の素晴らしい自然環境を保全し、生物多様性の維持に努めています。
本社地区では、地域の樹林や植林されたカラマツやアカマツを含む様々な樹木があり、野鳥と山野草の宝庫です。森林の持続的な管理と新規植林を行い、世界遺産である富士山周辺の陸の豊かさを守ります。

森の保全活動

ファナックの本社は、富士箱根伊豆国立公園に隣接する自然豊かなエリアに位置しています。緑化率が定められていますが、緑化率以上に豊かな「ファナックの森」となるよう努めています。日常的に森の整備を行っており、その結果として樹木、草花が四季折々の表情を見せ、種々の野鳥などの小動物の姿が見られます。
また、工場等の建屋建設にあたっては、可能な限り樹木の少ない場所を選定し、樹木伐採を最小限に留めています。
さらに、自然の地形を生かした土地利用として、建屋の高さが周囲の樹木の高さを超えないようにするなど、最大限に環境配慮した計画としています。
大きな平坦地を必要とする駐車場は、緑化率維持のため立体化を進めています。2016年から開始した駐車場整備では、2019年までに駐車場7棟で延床面積92,250m²、駐車台数3,393台となり、この駐車場立体化により緑地面積を65,300m²保全いたしました。

森の再生広葉樹化計画

戦時体制と高度成長期の木材需要から、針葉樹の植林が奨励され、今は人工林の大部分が針葉樹林となっています。本社地区でも、人為的に植林した針葉樹林となっている箇所があります。ファナック本社地区の緑地管理基本方針は、長期計画で現存のかつての植林による針葉樹の森を、本来のこの地域に合った植生である広葉樹の森へ変えてゆくことをテーマとしています。現在の針葉樹林は、長年にわたり成長が早いアカマツ、カラマツ、モミ等が防砂林や木材需要用として植樹されてきたものです。これら人工針葉樹林を、花が咲き、実が成り、落葉する周辺の自然植生にふさわしい広葉樹林と常緑の広葉樹に変えることにより、小鳥や小動物等が共生できる豊かな森とすることを目標としています。
ファナックは、この目標を着実に実現するために山梨県森林総合研究所の協力を得ながら、地域本来の生態系に合った森に再生するべく2015年に計画をスタートし、2016年から植樹を進めています。樹木の活着は難しいため、長期の取り組みを進めています。2021年より森の育ち過ぎた高木により低中木の広葉樹等への日照確保が厳しいため、針葉樹の高木の間伐を適宜行っています。

森の再生100年計画

森の再生100年計画

CO2を吸収する森へ

現在のファナック本社構内の針葉樹林は樹木が密集し、森林内部への日照が届きにくく、新生の幼木への日照が不足しています。高木密集した針葉樹林は、森本来の機能を果たすことが難しくなります。土壌痩せを防ぎ森林の豊さを維持するため、適正な樹木密度を確保する間伐を行い、森林内部への日照を確保し、よりCO2を吸収できる森林を目指しています。
森の再生広葉樹化計画にもあるように、既存針葉樹が単一樹種による人工林であり、老齢期の高木でCO2吸収量が少なくなっていることから、地域固有の樹種を含めた混合林化し、緩やかに地域の本来の植生に変える取り組みを行っています。常緑の広葉樹(例として高地でも耐えるアセビ、ソヨゴ)を中心に育成し、小動物の住める環境を作るため、実のなる落葉広葉樹も育成しながら、植え替えを実施する計画を推進しています。

水辺の生物多様性保全

ファナック本社地区には全8箇所に大小の雨水調整池があり、雨水の一時貯水を行っています。そのうち、7箇所の池には常時水を貯留し、水質の浄化と水辺の生物が生息しやすい環境を作るためにヨシ、アヤメ、ショウブ、ミズバショウ等を植えて保護し、毎年11月末から12月上旬にかけて池の中の葦刈り作業も実施管理しています。
また、すべての調整池は夏季、秋季は池周りの草刈り作業を行い、随時、排水口周りの管理を実施しています。台風や大雨後には、状況確認や点検・補修・清掃等を行っています。

希少植物種の保全

栃木県の壬生工場の敷地内には、栃木県指定の「レッドデータブックとちぎ2018」に掲載されている貴重な植物『エンシュウムヨウラン』の生育が確認されており、地域一帯が貴重な自然環境といえます。
ファナックは、環境に関する法令を遵守し、栃木県が実施する環境調査に協力しています。
また本社地区では環境省によりレッドリストの絶滅危惧種Ⅱ類に指定されているクマガイソウを工事による影響を避けるために2023年春に移植を実施いたしました。