更なる高精度に挑む ロボカット新機能
ファナックは、2021年にワイヤ放電加工機の最新機種ROBOCUT α-CiC seriesをリリースし、本年は各加工分野の需要に応えるために「更なる高精度に挑む」をコンセプトに様々な新機能を開発しました。
プレス金型加工分野では、電気自動車の製造などに使われるモータコア金型を始め、加工精度への要求が年々高くなっています。これらの需要に応えるために、ロボカットでは鋳物構造から見直すことで、機械の剛性を向上し、ピッチ精度と真円度の向上を実現しました。
500mmのピッチ加工において±1μmの精度を実現
※鉄系30mm厚、φ0.20黄銅線、6回加工
φ150mmの真円加工で1.48μmの真円度を実現
※鉄系30mm厚、φ0.20黄銅線、5回加工
射出成形金型加工分野では、スライドコア部のテーパ形状を高精度に加工するために、試加工による煩雑な調整が必要です。ロボカットの「テーパ調整機能」により試加工が不要、調整ブロックと簡単な画面操作だけで4方向20度までの高精度調整を実現でき、加工準備時間を大幅に短縮することができます。
※鉄系50mm厚、φ0.20黄銅線、5回加工
調整例 | 試加工 | テーパ調整機能 |
---|---|---|
調整時間 | 約1.5日 | 約25分 |
加工精度 | ±0.01度 |
さらに、金型加工分野と部品加工分野に必要とされている微細形状の高精度加工を実現するために、新放電装置SF3と新放電制御iPulse3を活用した「高精度加工条件」を開発しました。放電パラメータの調整が不要で、機械搭載の標準加工条件のみで高精度な形状加工を実現できます。
※ダイス鋼60mm厚、φ0.20黄銅線、5回加工
標準加工条件で±2μmの加工精度を実現
面粗さ:Ra0.26μm
ロボカットはこれからも「価格以上の価値」を提供できるよう、進化していきます。
(2022年6月)