FA新商品:αi-Dシリーズサーボ
工作機械を取り巻く環境変化に対応するため、サーボに関しても、モータ、アンプ、サーボ制御の全てを一新したαi-Dシリーズサーボをリリースしました。ファナックαi-Dシリーズサーボは、加工技術の変化に対応できる性能を実現するサーボシステムとしての高性能化に加え、小型化や省配線といった使いやすさも更に向上し、また、損失低減により機械の省エネルギー化に貢献する新世代のサーボシステムです。
システム全体の省エネルギー性
αi-Dサーボシステムは、高効率なモータおよび電流制御、最新パワー素子や独自の低損失ACリアクトルにより、サーボシステム全体での損失を当社従来比で約10%低減しました。更に、サーボプレス等で使用される大型のサーボモータにおいてはモータの電力損失を同30%低減しました。
サーボモータ
最大トルク特性、最高回転速度を向上し、機械のサイクルタイム短縮に貢献します。全モデルでバッテリレスパルスコーダを選択可能で、標準で保護等級をIP67に向上しました。保守性と信頼性の向上に寄与します。
コギングトルク(鉄心と磁石の間の相互作用による脈動トルク)を更に低減し、送りの滑らかさが向上しました。また、パルスコーダ(モータ速度検出器)の通信高速化により、従来よりハイゲイン制御(高い応答性を持つ制御)が実現できます。右の例では、αi-Dサーボで速度ゲインがアップし、形状誤差、反転時の位置偏差を約半分に低減しています。FANUC Series 500i-Aとの組み合わせでは更に高精度・高品位加工を実現できます。
スピンドルモータ
加減速出力特性向上によるサイクルタイム短縮、連続出力特性向上と最高回転速度向上による加工性能アップを実現しました。標準モデルでは振動レベルを改善し加工精度向上にも寄与します。
サーボアンプ
幅を最大で30%小型化し制御盤の小型化に貢献します。一体型アンプはラインアップを26kWモデルまで拡張し、多様な構成に対応可能です。また、ブレーキ駆動回路を内蔵すると共に、FANUC Series 500i-Aとの組み合わせでは、外部配線不要のSTO(Safe Torque Off)機能を利用できるなど、省配線による使いやすさの向上を実現しました。
故障予知に関しては一体型アンプ含め全てのモデルで絶縁劣化検出機能を搭載し予防保全を可能にしました。保守性に関しては、アンプを制御盤に実装したまま、DCリンクショートバーの取り外さずにファンモータの交換を行える構造とし、交換時の作業時間短縮に貢献します。
ACリアクトル
独自の六角形新構造により、コイルを鎖交する漏れ磁束による損失を低減し、省エネルギー化に貢献します。
(2024年1月)