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ファナック株式会社 (FANUC CORPORATION)

サービス

生涯保守

ファナックでは、量産を終了した機種であっても、お客様が商品を使い続ける限り保守を継続する生涯保守を実行しています。生涯保守により、お客様は保守打ち切りによる設備の更新が不要となり、数十年の間、少ないコストでファナック商品をお使いいただけます。

修理工場では40年以上前に製造された商品も含め、国内では1年間に約8万件の修理を行っています。
古いモータやプリント板、ユニット類も修理できるよう、製造中止となった旧部品を含め19,000種類・350万個を超える修理用部品のストックがあり、万一部品のストックがなくなった場合でも、代替可能な部品を探して再設計する体制を取っています。古いマニュアルも電子化しており、生涯保守に対応します。
故障したユニットは、ロボットなどを用いた自動洗浄機で汚れを除去した後、乾燥炉により乾燥してから修理を行います。修理に際しては、壊れた部品の交換だけでなく、劣化し始めた部品も交換することで、新品同等レベルの品質に修理再生します。劣化した部品の中で再生可能なものはオーバーホールを実施して再利用するなど廃棄物の削減にも力を入れています。

修理工場ではこれまでに230万件を超える修理実績を重ねており、そのノウハウは国内外での修理に活用されると同時に、研究開発本部にもフィードバックされています。

40年以上前のプリント板、スピンドルモータ、サーボユニットの修理例


修理前


修理後

グローバルなサービスを提供

ファナックは「サービスファースト」の精神のもと、世界100カ国以上をカバーする270以上のサービス拠点を置き、ファナック商品をお客様が使い続ける限り生涯保守しています。

→ サービスのご案内

基本的な考え方

「サービスファースト」の精神に基づく迅速・丁寧なサービスの提供と、生涯保守でお客様の満足度向上を図ります。

方針

ファナックは「サービスファースト」の精神のもと、お客様の近くにサービス拠点を置き、世界中でファナック商品を生涯保守いたします。

Service First

推進体制

毎年1回、代表取締役社長 兼 CEOを主催者とし、世界中のグループ会社の経営トップおよびサービス関係者、ならびに本社の主要メンバが集まるグローバルサービス会議を開催しています。2020年から2022年の間はコロナ禍の影響で、オンライン上のディスカッションボードを利用した会議を開催し、リアル会議同様に様々なワーキンググループ活動によってパーツや技術情報、保守ツール、サービストレーニング、サービスのDXなどに関する事例や知見を共有し、サービスの改善・強化を推進しました。
2023年のグローバルサービス会議では、4年ぶりに本社に延べ454名が参加するリアル会議を開催し、活発に議論されました。

目標

より良いサービスの提供により、お客様満足度の向上を目指します。そのため、サービス平均待ち時間の短縮や保守部品即納率の向上に取り組みます。

取り組み

機動的なサービス実現のために

世界中の2,300名以上のサービス員とサポートスタッフ(いずれもファナックグループ社員)が、電話対応やお客様先でのサービス、保守パーツ管理などを行っています。お客様のご要望により交換したユニットは、世界15カ所の修理工場で修理再生し、次の保守サービスに使用することで、廃棄物の削減と資源の有効活用を図っています。
国内サービスでは、全フィールドサービス員が携帯端末を持ち、各員の現在位置を把握することでお客様先へ最短で訪問できるようにするなど、機動力の充実を図っています。
さらに待ち時間を減らすために、2021年以降の新入社員については、導入教育を機種別にグループを分けて行わず、全員が同じ教育を受講しています。また、それ以前に入社した若手も、得意な機種だけではなく、クロストレーニングを行っています。FA(CNC)、レーザ、ロボット、ロボマシンとすべての機種に対応できる、マルチスキルサービス員の育成により、柔軟性の高い対応と、効率も良い出動を可能とし、移動距離・時間短縮することに力を入れています。
機動的なサービスの実現には、全てのあらゆる種類の保守部品が必要で、その量は膨大です。ファナックでは、需要が極めて少ない部品を在庫するためのグローバルパーツ倉庫を日本国内に設けています。また、世界中の在庫の「見える化」を行っています。世界中の保守部品在庫を管理し、どんな古い、極めて稀にしか使わない部品でも、世界のサービスネットワークのどこかで保有し、その情報を管理することで、最短での部品提供を行っています。また、保守部品の総合的な需要予測を行い、無駄なく部品供給を行うためのデータとしても活用しています。
さらに、サービスを持続的に提供していくため、国内ではBCP対応として中核拠点の複数化を行いました。東京都日野市と愛知県小牧市の2拠点にコールセンタと部品倉庫を設けるとともに、過去のサービスデータなどを蓄積したサーバを両拠点に設置し、ミラーリングすることで、より確実に生涯保守を継続しています。
また、新たに山梨(旧中央)、三河(旧安城)、小倉の各サービスセンタを新社屋へ移転し、フロア面積を拡大したサービスセンタとして2023年~2024年にかけて稼働を開始しました。サービスセンタ内の部品倉庫も拡大し、部品在庫を増やしたことにより、お客様からの緊急対応依頼への対応可能件数を増加させています。併せて、従来は名古屋、日野のみであった、オーバーホール場を上記3拠点にも併設し、お客様からの各種機械、ロボット等の引き取りオーバーホールのご要望にもお応えできるようにしました。


名古屋サービスセンタ


日野支社

保守部品倉庫

サービス体制の充実

アフターサービスにおいては、「短期間に復旧する」ことに加え、「壊れる前に予兆をつかみ予防保守を行う」ことを強化しており、CNCをネットワークで接続し、サーボモータのデータを収集して故障を予知する、AIサーボモニタや、ロボットをネットワークで接続し、機構部、プロセス、システムの状態、保守時期の情報を集中管理し、情報の監視、予防保守を行うことができる、ZDT(ゼロダウンタイム)を積極的に提案し、販売しております。
また、お客様の工場の稼働率向上のための予防保全をおすすめしています。
コールセンタでは故障修理や部品販売に関する質問を受けており、国内ではフリーダイヤルを設置してお問合せに対応しています。コールセンタの受付専用ソフトウェアは、サービス員やオペレータの要望を反映して随時改善を図り、効率の良いサービスの提供に努めています。また、海外でも各国の事情や特性に合わせた同様のソフトウェアを使用しています。
個々の案件の保守報告書は、主要データを各国共通化して信頼性向上や治工具の開発などに活用しています。
また、新型コロナウイルス感染症によるニューノーマル時代に呼応して、リモート診断やオンラインサポートなどの新しいサービス形態を、サービスのDXプロジェクトとして推進中です。第1弾として二次元コードを使った問い合せサービスFabriQR Contact(ファブリキュアコンタクト)を2020年10月から国内で開始しており、海外でも2024年4月から順次運用を開始しています。

日本での対応

平日以外も工場を稼働させるお客様のため、土曜日も17:10まで対応しています。
連休明けなどのコール集中日には、各拠点のベテランフィールドエンジニアも電話対応を行い、コールセンタから空いている拠点回線へ自動的に転送するなど、応答率の低下を防止しています。
夜間・日曜日・祝日の対応を希望されるお客様に向けた夜間祝日電話サービスの「CS24」(有償)も提供しています。なお、海外では24時間365日の保守サービスを個別契約している拠点もあります。
また、保証期間終了後、「保守契約」サービスを提供しています。保証期間が終了した商品での万一の故障に備えた契約をいただくことで、その契約期間内の故障を何回でも無償で修理します。(一部の部品、消耗品などは除く)

会員サイト

2015年4月より会員サイトを設け、外形図電子データの無料ダウンロードができるようにしています。どなたでも登録できる「一般会員」約8,738名と、実際にファナック商品をご使用いただいているお客様のみ登録できる「お得意様会員」約11,365名にご利用いただいています(2024年7月1日現在)。特に、「お得意様会員」は電子マニュアルなどのダウンロードや、保守部品の購入が可能であり、利便性の高いサイトとなっています。また、2019年12月にチャットボット機能を追加し、会員サイトに関するQ&Aサービスの提供を開始し、お得意様会員にはチャットボットによる、技術問い合せへの対応も開始しました。Q&Aについて定期的に内容の追加・更新を行い、利便性を高める取り組みを行っています。
その会員サイトは、2023年8月に新しいプラットフォーム上にて”MyFANUC”へ更新されました。従来の保守サービス関連の機能もMyFANUCに移行して変わらずご利用いただけます。さらに保守部品購入サイトの利便性を高めるために、購入可能部品点数を150点から10,000点に増やしたE-Storeをリリースしました。今後も提供するコンテンツの充実を進めてまいります。

→ 会員サイト

顧客満足度調査

ファナックアメリカ、ファナックヨーロッパなど海外関係会社では、顧客満足度調査を定期的に実施しています。日本でも訪問したお客様へ無記名でお客様アンケートを行い、お客様の声をサービス向上に活かしています。
国内で2023年実施した顧客満足度調査では5点満点で前年の平均4.31から4.48点の評価を戴きました。説明書やヘルプについてはわかりやすくなったとの事から、4.02から4.38に上昇しました。一方でコールセンタへの電話の繋がり易さが4.08点で改善されていません。単純にファーストコールの待ち時間ではなく、お客様とエンジニアが話せるまでの時間についてのご不満があるようです。エンジニアの数や、効率的な対応について検討を進めます。

自然災害被害の復旧支援

日本では毎年多くの自然災害が発生しており、その都度サービス員を派遣し、お客様のご要望に合わせ、対応を行っています。2022年は、大きな自然災害はありませんでしたが、局所的な水害が発生し、電源復旧前より訪問し、部品洗浄、乾燥、部品交換や、地震による被害についても、レベル調整や破損部品の交換などを迅速に行い、お客様の設備停止時間を最小に抑える取り組みを行いました。海外でも、インド、インドネシア、タイ、ブラジルでの水害に、ファナックインディア、ファナックインドネシア、ファナックタイ、ファナック南アメリカが部品手配、修理工場での修理対応などを行い、早期に復旧させることに努めています。
ファナックは、「one FANUC」、「壊れない」「壊れる前に知らせる」「壊れてもすぐ直せる」および「サービスファースト」の精神のもと、災害時の対応を行っています。