働きがいのある職場づくり
基本的な考え方
社員の働きがいの向上のためには、一人一人が大切にする価値観に基づきキャリアビジョンを描き、その実現に向けて成長を重ね、ファナックで働くことに喜びを感じながら、持てる能力を最大限に発揮できる職場環境が必要です。
現在、そのための仕組みとして、上司・部下間の対話を通して個人のキャリア形成・成長の支援に向けた職場内での対話の場づくりに取り組むとともに、人材募集を行う部署とキャリア実現を計画する社員とのマッチングを図る社内公募制度を導入しています。
また、毎年のエンゲージメントサーベイの実施を通じて、一人一人が活き活きと働ける職場環境づくりに向けた継続的な組織課題の改善に取り組んでいます。
本社での取り組み
キャリア形成支援
社員一人一人のキャリア開発の支援に向けて、上司と部下との対話の場づくりに取り組んでいます。上司に対しては、マネジメント・リーダーシップの向上を図る研修を実施し、双方向の対話を通して部下の成長支援に取り組むことの重要性を伝えるとともに、部下との対話の場面で活かせるスキルと知識の習得を図っています。部下に対しては、大切にする価値観を軸とした成長プランを実行する「若手社員研修」、プロフェッショナルとしての専門領域を追求する「中堅社員研修」を実施し、自己認識の整理を通して自身のキャリアビジョンを描く考え方を伝えています。また2024年度には、幹部社員および事務技術職社員を対象とした1on1面談を実施しています。上司・部下間の定期的な対話を通して、社員一人一人が自身に期待される役割を認識するとともに、仕事への取組みを通してキャリアビジョンを実現していく方向性を上司との間で共有し、支援を受ける仕組みづくりを行っています。
社内公募
新たな人材を必要とする部門が、求める人材要件を明確にして社内で人材を募集する社内公募を実施しています。社員が自分のキャリア実現のために新たな仕事にチャレンジする仕組みを設けることで、組織の活性化と個人のモチベーションの向上を図っています。
エンゲージメントサーベイ
「エンゲージメントサーベイ」を毎年実施しています。各組織で調査結果から組織の課題を設定し、対策を実行するPDCAサイクルを回し、継続的に職場環境の改善、働きがいの向上に向けた取り組みを積み重ねています。
表彰制度
ファナックは各種表彰制度を設け、社員のエンゲージメント向上を図っています。
毎年7月1日の「創立記念式典」の場にて、会社の業績に大きく寄与する功績を挙げたり、他の模範となるような顕著な活動を行ったグループや社員、業務上有益な特許等の発明をした社員等を表彰しています。
2023年は「特別功績賞」、「功績賞」、「発明表彰」、「安全優良チーム」の表彰を行いました。受賞者には表彰状と報奨金が授与され、「特別功績賞」はさらにメダルも贈呈されます。「特別功績賞」、「功績賞」では事業本部・統括本部を横断したチームが受賞することも多く、「one FANUC」を実践しています。「安全優良チーム表彰」は、労災撲滅に顕著な成果のあったチームが選出されました。
サービスでは、毎年開催されるグローバルサービス会議において、世界中のサービス員の中から過去1年間で優れたサービス活動を行ったサービス員に対して、トップサービスパーソンを表彰しています。2024年は12社から13の個人またはグループが表彰されました。
セールスにおいても表彰制度を設け、目覚ましい成果を挙げたトップセールスパーソンを毎月選出し、その成果と受賞者のコメントを国内・海外の社内ポータルサイトで周知しています。また、セールスに直接携わらない営業技術やサポート部門の社員・チームについても、毎年開催されるファナックグローバル会議でトップセールスサポートパーソンとして表彰しています。
ファナックアメリカでの取り組み
ファナックアメリカ(以下、FAC)は、社員から「選ばれる企業」であることに強い誇りを持っており、社員を最も重要な財産として考えています。雇用市場における最近の著しい変化や人材獲得の動向、採用活動、社員からの期待の高まりに加え、ここ数年で成し遂げた成長と拡大を受け、社員エンゲージメントの取り組みを強化することの重要性を認識しました。そこで2022年8月、従来の社員アンケートに替えて、確立された基準として受け入れられている「ギャラップ社員エンゲージメント・サーベイ」を用いた調査を採用することを決定しました。この調査を導入し、80%の社員から回答を得ました。社員エンゲージメントは職場の成果達成のための重要な要素であり、社員の幸福、管理職の育成、そして組織全体のパフォーマンスに直接結び付いています。この新たなアプローチは、社員エンゲージメントを企業戦略(人材獲得、新人研修、パフォーマンス管理、人材育成、社員エンパワーメント、定着率向上など)の中心に据える上で効果的です。「ギャラップ社員エンゲージメント・サーベイ」の調査結果とギャラップ社の管理ツールを活用することで、エンプロイーエクスペリエンス(EX)のあらゆる側面に社員の意見をさらに反映させることが可能になり、アクションプランの策定や継続的なフィードバックを通じて持続的な向上を図ることができます。管理職は、ギャラップ社のツールを用いることで、年間を通してアクションプランを追跡・強化することができます。またFACの調査結果は、ギャラップ社が蓄積した膨大なデータに照らして評価されます。
また、FACは、毎年の社員エンゲージメント・サーベイに加え、全米で認知されている社員満足度の表彰プログラムの一環として毎年実施されている調査である“Top Workplaces”にも参加しています。Top Workplacesは、地域レベル・全米レベルの各種プログラムのほか、業界ごとの表彰や優秀な企業文化の表彰などを行っています。Top Workplacesは全米で認知された企業の社員中心の文化を高く評価し、意見を述べる機会を提供しています。FACでは、デトロイトとシカゴの地域社員満足度調査に毎年参加しており、各事業所の社員が調査に回答しています。FACは2022年、デトロイト地域の賞を11年連続、シカゴ地域の賞を5年連続で受賞したのに加え、新たに“Top Workplaces USA Award”も獲得しました。
これら2つの調査で寄せられた意見をもとに、引き続き社員エンゲージメントの向上、エンパワーメント、能力開発、新たな人材の獲得に向けた取り組みを推進していきます。さらに、FACではこの1年間で、当社初の社員リソースグループであるウィメンズ・リソース・グループ(WRG)を結成し、現在そのメンバーは200名を超えています。WRGは、社員のエンゲージメント向上、交流、能力開発を促すさらなるリソースグループの結成を先導するものです。また社員の声に応えるべく、新たな研修、評価、福利厚生、社員テクノロジーに引き続き投資します。これらすべての分野において、FACは今後も社員を第一に考え、会社にとって社員がどれほど重要かを示していきます。