推進体制
購買部
ファナックでは、購買部がサプライヤの窓口として、サプライヤの品質、納期、コストについての情報をまとめ社内にタイムリーに知らせます。また、研究開発本部とともにサプライヤに対して、CSR調達方針、紛争鉱物について、有害物質の含有量削減・不使用の遵守を求めています。
購買部は、サプライチェーンリスクを低減するため、研究開発本部、製造部門と協力して購買先の複数化を積極的に進めています。また、1社からしか購入できない部品(特にカスタム品)については、災害発生時に被災したサプライヤの工場が復旧するまでの間当該部品を確保するために、平時から部品の適正な在庫を保有するように努めています。
また、災害発生時のサプライチェーンのリスクの検討と対策も行っています。部品ごとに、その製造工場の立地場所・地域に関する調査を行い、災害発生時には、どのサプライヤが影響を受けた可能性があるかを即座に調べられるようにしています。このデータが、今回の新型コロナウイルスの影響で入手困難になった部品の確保に大きく貢献しました。
また、サプライヤの協力を得て、災害発生時(震度5強以上の地震など)にサプライヤの社員の安否および工場等の被害の有無を調査する仕組み(自動メール発信)を構築し、運用しています。各サプライヤのBCPに対する取り組みについても調査・分析を行い、必要と判断される場合は、サプライヤに改善を促しています。
上記の活動を年間単位でスケジュール化して、毎年情報をアップデートしてゆく仕組みと、各活動のマニュアル作成を行っております。
2020年から需要の急速な高まりを受け、半導体を始めとするさまざまな部品の調達が危機的な状態に陥りました。購買部、研究開発本部、製造本部とで非常対策ワーキンググループを設置し、全社一丸となって部品調達の交渉、市場品の購入、代替品の採用、生産工程の入れ替え等を行って、高水準での生産継続を実現しました。
災害対策チーム
地震や台風などの自然災害の際は、購買部が自動メール発信 (上記)を行うとともに、あらかじめ購買部が調査した工場の位置情報から、被害を受けた可能性のあるサプライヤを特定し、状況の確認を行っています。
特に大規模災害が発生し、サプライチェーンに深刻なダメージを負ったと判断される場合は、災害対策チームが活動を開始します。災害対策チームは、各研究開発本部、各製造部門、購買部からあらかじめ選出された人員で構成され、手分けしてサプライヤの状況把握をした上で、部品の納期確認、入手が困難になった部品の補完対策等に従事します。
新型コロナウイルスの影響によるサプライチェーンの混乱に際しても、この災害対策チームを立ち上げて様々な対応を行うことにより、お客様へ当社の商品を滞りなく供給できました。