M-2000iA 大河内記念生産特賞受賞
最大2.3t可搬の大型6自由度多関節ロボット
M-2000iA
大河内記念会・山﨑弘郎理事長より表彰を受ける
山口社長(中央)と安部統括本部長(左)
当社の最大2.3t可搬ロボットM-2000iAによる超重量物搬送の自動化への貢献が高く評価され、財団法人大河内記念会より、「最大2.3t可搬の大型6自由度多関節ロボットの開発」が、第70回(令和5年度)大河内記念生産特賞を受賞しました。3月26日に、日本工業倶楽部会館で開かれた贈賞式では、大河内記念会・山﨑弘郎理事長より当社の山口社長に表彰状が授与されました。
産業用ロボットは様々な製造現場の自動化率を高め、製造品質や生産性の向上に貢献しています。しかし、従来はロボットの搬送能力不足から1tを超える自動車ボディや大型加工部品・金型など超重量物搬送へのロボット導入は困難で、専用リフターや人手によるクレーン搬送に頼っていました。この課題に対し、当社では、1tを超えて、最大2.3tの超重量物を広範囲に搬送可能とする6自由度多関節ロボットを開発しました。
1tを超える超重量物の搬送能力の実現には、重量物を支えるアーム駆動軸の大幅なトルクアップが最大の技術課題でしたが、主要な軸にモータを2本ずつ配置し、2つのモータを1つの大型減速機に入力する独自の構造と制御技術を開発しました。これにより、自動車の完成車体を片持ち搬送するパワフルな搬送能力と、重可搬ながら0.1mm単位で重量ワークを取り付ける正確な位置決め精度の両立を実現しました。
M-2000iAは、世界最大となる最大2.3t可搬の圧倒的な可搬能力を活かし、自動車、建設機械、航空機、鉄鋼、重工、物流など様々な製造業で採用されており、1350kg可搬以上では競合他社が存在しないため、世界シェア100%を実現しています。特に自動車では、脱炭素社会に向け、電気自動車の普及が本格化しており、大型バッテリユニット搬送の自動化の需要が急増しています。更に、アルミ合金などで車体を一体成型するギガキャストなどの工法により、車体部品が大型化しており、本ロボットの更なる普及が見込まれます。
ファナックは、1981年度に「機械加工セルを核とする大規模フレキシブル生産システムの実用化」での受賞以降、5回の大河内記念生産賞を受賞しています。2019年度には「超精密小型プラスチック部品用全電動式射出成形機の開発」で、初の大河内記念生産特賞を受賞し、今回は2019年度に続き、2回目の大河内記念生産特賞の受賞となりました。
大河内記念生産特賞 賞状と賞牌
※大河内賞は、大河内正敏工学博士(1878~1952)が、大正10年から終戦までの25年間、理化学研究所長として、学会・産業界に残された大きな功績を記念し、博士の遺志となった「生産のための科学技術の振興」に寄与することを目的として、毎年、生産工学・生産技術の分野における顕著な業績に対し贈呈される賞です。