FIELD systemの進化(第2版のリリース)について
2018年4月16日
ファナック株式会社
ファナック株式会社(以下ファナック)は、IoTとAIにより製造現場を賢くする FIELD system (FANUC Intelligent Edge Link & Drive system) を昨年10月にリリースしました。おかげさまで、製造業向けのエッジヘビーなオープンプラットフォームとして多くの方々の期待の中、既に約200社からお問い合わせを頂き、一部受注を開始しております。
また、弊社の工場にも設置して、生産性の向上や予防保全ヘの取り組みを開始致しました。
その FIELD system について、以下の様な進化を図り、第2版をリリース致しました。これにより、製造現場の全ての機器を繋いでデータを収集し、エッジヘビーにデータを処理し高度に活用することで、製造現場をより賢く、自動化することができるアプリケーションを、より簡単に作成可能になります。
- アプリケーションをより作り易くするAPIの追加
- エッジ機器への指令を行うことができるAPIの追加
- 各種エッジ機器(PLC、センサ等)をつなげるコンバータ用SDK
- FIELD BASE Pro で AIアプリケーションを動作可能とするGPU対応
- iPMA (Production Monitoring & Analysis) と iZDT (Zero Down Time) の改良
アプリケーションをより作り易くするAPIの追加
データベースを使ったアプリケーション開発を容易にするため、バックアップ等のデータベース管理機能をベーシックソフトウェア(各種機能を提供する中核をなすソフトウェア)側で実現しました。また、機器から取得したデータと生産物との関係付けを行い、どこで・いつ・誰が・どうやって・どのくらい・何を生産したかをデータベースで記録・管理するためのAPIを追加しました。
エッジ機器への指令
FIELD system は、これまでのエッジ機器と繋いで見える化、分析することに加えて、分析結果や解析結果に基づき、機器に指令する機能が追加されました。
この「エッジ機器への指令」が、エッジヘビーである FIELD system の大きな特長となります。
コンバータ用SDK
FIELD system では、アプリケーション開発用のAPIの公開に加えて、この度コンバータ(エッジ機器との通信を行うソフトウェア)側のAPIを公開しました。
コンバータ用SDKはアプリケーション用と同様にパートナー会員様であれば入手することが可能です。これによりパートナー会社様の製品と FIELD system を接続するためのコンバータの開発および販売が自由に行えるようになります。
FIELD BASE Pro の GPU対応
工場現場で FIELD systemを 動作させるためのファナック製ハードウェアである FIELD BASE Pro がNVIDIA社の Tesla P4 GPU に対応しました。これによりCPUだけでは難しい、深層学習などのより高度なAIアプリケーションをエッジ側で実行可能となります。
iPMA、iZDTの改良
iPMA (Production Monitoring & Analysis) は工場の稼働分析や生産性改善を支援する FIELD system で動作するアプリケーションです。ファナック製CNCのサーボデータやロボットの動作中の波形データを条件設定して収集、表示させる機能を強化しました。例えば工作機械の主軸トルク波形を収集することで工具に掛かる負荷の時間経過の変化が観測できます。
iZDT (Zero Down Time) は生産機器の予期せぬダウンタイムを削減するための FIELD system で動作するアプリケーションです。iZDT が検知したファナック製商品のアラームに対して、ファナックのサービス部門がこれまでに蓄積した膨大な保守実績のデータベースに接続し、対策の候補を通知するように強化されます。
出荷開始予定時期: 2018年4月